モトコの迷走日記

迷走:定まった道筋・進路を通らず不規則に走ること。

悪ガキを引っ叩いてたおばあちゃんを思い出した。

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7年前に祖母が亡くなったのだけれど、

夏になるたびに、終戦記念日が近づくたびに、

祖母が体験した戦争の話を

もっと丁寧に聞いておけばよかったと思うのです。

 

満州から引き上げてきた話。

途中、子ども2人を亡くし、朝鮮の山に埋めてきた話。

少しでも先へ進もうと、線路を歩いていたら後ろから汽車が来てしまい...

どうして無事だったのか続きを忘れてしまったな。

ただ、汽車の話は祖母も武勇伝のように話していたので、

私と弟は「それ、スタンド・バイ・ミーみたいだね」と言って笑ったんだけど。

 

祖母の荷物を母と片付けていたら

祖父のウラジオストックからのハガキなど出てきて、

傷んではいたけど読むことはできた。

私は祖父の顔も知らなかったのだけど、

急に立体的な血の通った人物像を見たようで

自分は随分と家族の歴史を知らずに生きてるんだと

愕然とした。

 

検閲の判子。

それが、私が手に取って感じた唯一の戦争のリアルかもしれない。

 

 

うちの祖母は、私が子どもの頃は一人で雑貨屋さんをやってて

よく店のお菓子をおやつにくれた。

 

私が近所の子たちにいじめられて叩かれた時に

「おばあちゃんが怒ってきてやる」と

割烹着のままサンダルばきで走っていって、

その子を怒鳴りつけて引っ叩いてたことがあったな。

よそンチの子でも、容赦無く引っ叩く。

今ほど複雑ではない時代。

 

そんな祖母が

本当に歳をとって私のこともわからなくなっても

何だかじゅうぶんな気がして

そんなに寂しくなかったな。

 

おばあちゃん。

感染症のせいで、1年遅れでオリンピックが開催されました。

東京で。

今もなお、さらに深刻な状況。

全員が1年中マスクをつけてるって信じられる?

いつまで続くんだろうか。

 

あんまりぼうーっとしないで過ごそうと思うよ。

何かあったら、できればサンダルでなく運動靴で

走り出せるようにするよ。

 

あの時、おばあちゃんが相手を引っ叩いたのが、

今だって本当は正解なのかもしれない。

少なくとも私とあの悪ガキには正解だった。

それを心に留めつつ、

「正解のない時代」を

「共有の困難な時代」を

生きていくよ。